第三章 担保権の実行としての競売等
民事執行法 第193条(債権及びその他の財産権についての担保権の実行の要件等)
この条の要点
- 債権に対する担保権実行の方法:債権の担保権実行は証明文書の提出で開始。登記による開始は登記等を要する財産権に限る。
- 債権担保権実行で準用されない債権執行規定:債権の担保権実行では146条2項・152条・153条は準用除外。一般の先取特権の実行では準用される。
条文原文
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第193条(債権及びその他の財産権についての担保権の実行の要件等)
第百四十三条に規定する債権及び第百六十七条第一項に規定する財産権(以下この項において「その他の財産権」という。)を目的とする担保権の実行は、担保権の存在を証する文書又は電磁的記録が提出されたとき(権利の移転について登記等を要するその他の財産権を目的とする担保権で一般の先取特権以外のものについては、担保権の登記等(仮登記又は仮登録を除く。)がされている場合においてその担保権の実行の申立てがあつたとき又は第百八十一条第一項第二号イ若しくはロ、第二項若しくは第三項に規定する文書若しくは電磁的記録が提出されたとき)に限り、開始する。担保権を有する者が目的物の売却、賃貸、滅失若しくは損傷又は目的物に対する物権の設定若しくは土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)による収用その他の行政処分により債務者が受けるべき金銭その他の物に対して民法その他の法律の規定によつてするその権利の行使についても、同様とする。
②前章第二節第四款第一目(第百四十六条第二項、第百五十二条及び第百五十三条を除く。)及び第百八十二条から第百八十四条までの規定は前項に規定する担保権の実行及び行使について、第百四十六条第二項、第百五十二条及び第百五十三条の規定は前項に規定する一般の先取特権の実行及び行使について、第百六十七条の十七の規定は債務者の財産について一般の先取特権(民法第三百六条第三号に係るものに限る。)を有することを証する文書を提出した債権者が第百九十七条第二項の申立て又は第二百六条第二項の申立てをした場合について、それぞれ準用する。
③前項において準用する第百四十五条第二項の規定にかかわらず、債権者が民法第七百六十六条の三(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務に係る金銭債権を請求する場合には、執行裁判所は、一般の先取特権(同法第三百六条第三号に係るものに限る。)の実行としての差押命令を発するに際し、必要があると認めるときは、債務者を審尋することができる。
この条文の〇×問題(2問)
債権に対する担保権実行の方法
一般の金銭債権を目的とする担保権の実行は、担保権の存在を証する文書又は電磁的記録が提出されたときに限り開始し、担保権や被担保債権の登記によって開始することはない。
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正解 ○
正しい。143条の債権を目的とする担保権の実行は、担保権の存在を証する文書又は電磁的記録が提出されたときに限り開始する(193条1項)。登記等による開始が認められるのは、権利の移転に登記等を要するその他の財産権を目的とする担保権に限られ、その場合も担保権の登記等で足りる。手続は債権執行の規定を準用して行う(同条2項)。
学習ポイント:債権の担保権実行は証明文書の提出で開始。登記による開始は登記等を要する財産権に限る。
第193条1項・2項、関連:第181条1項・第143条
債権担保権実行で準用されない債権執行規定
債権を目的とする担保権の実行では、債権執行の超過差押禁止・差押禁止債権および差押命令の取消し・停止に関する規定もすべて準用される。
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正解 ×
誤り。債権を目的とする担保権の実行には債権執行の規定が準用されるが、超過差押えの禁止(146条2項)、差押禁止債権(152条)、差押禁止債権の範囲の変更(153条)は準用から除かれる(193条2項前段)。ただし、一般の先取特権の実行については、これらの規定も準用される(同項後段)。
学習ポイント:債権の担保権実行では146条2項・152条・153条は準用除外。一般の先取特権の実行では準用される。
第193条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和7年度 問11イ
一般の先取特権者は、民事執行法上の担保権の実行手続によることなく、債務者の有する債権を直接取り立てることができる。
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誤り
誤り。一般の先取特権者が債務者の有する債権から弁済を受けるには担保権の実行手続による必要があり、債務者の債権を直接取り立てることはできない(民事執行法193条1項)。
解説で第193条を参照している問
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第193条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。