留置権の成立
- 原則
- 他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を持っているときは、その債権の弁済を受けるまでその物を留置できます。成立には、物と債権の牽連性、債権が弁済期にあること、他人の物を占有していることが必要です。
- 例外・制限
- 債権が弁済期にないときは成立しません。占有が不法行為によって始まった場合も成立しません(2項)。
- 具体例
- Aから時計の修理を頼まれたBは、修理代金を払ってもらうまで、修理した時計の返還を拒めます。修理代金債権は、その時計に関して生じた債権だからです。
- 条件を変えた対照例
- 賃貸借が解除された後、占有する権原がないことを知りながら建物を占有し続けた者が支出した費用については、占有が不法行為によって始まった場合と同様に扱われ、留置権は認められないとされます(判例)。
- 第三者との関係
- 留置権は物権なので、目的物が第三者に譲渡されても、その第三者に対して留置権を主張できます。たとえば不動産の売主は、代金の支払を受けるまで、買主から転売を受けた第三者にも引渡しを拒めるとされます(判例)。