宅建 民法の頻出条文ランキング
宅建の過去問753問(16回分)の肢別解説が根拠にした民法の条を、出題された問の数で順位づけしました。3問以上出た16条を載せています。
結論:上位は民法557条・民法107条・民法94条
- 民法557条:5問(4回に出題、直近は令和3年12月)
- 民法107条:4問(4回に出題、直近は令和6年)
- 民法94条:3問(3回に出題、直近は令和7年)
3問以上出た16条の出題は延べ51問です。
民法の頻出条文ランキング(宅建)
条の番号から条文と、宅建以外の試験を含めた過去問の一覧へ進めます。「他の試験」は、同じ条を根拠にした他の試験の問の数です。
| 順位 | 条 | 出題問数 | 回数 | 直近 | 他の試験 | 分野 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 第557条買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその… | 5問 | 4 | 令和3年12月 | 6問 | 売買・交換 |
| 2 | 第107条代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場… | 4問うち改正前1問 | 4 | 令和6年 | 3問 | 代理 |
| 3 | 第94条相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。この条の過去問を見る | 3問 | 3 | 令和7年 | 13問 | 意思表示 |
| 3 | 第95条意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の… | 3問 | 3 | 令和7年 | 3問 | 意思表示 |
| 3 | 第96条詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。この条の過去問を見る | 3問 | 3 | 令和7年 | 14問 | 意思表示 |
| 3 | 第255条共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないとき… | 3問 | 3 | 令和7年 | 8問 | 所有権 |
| 3 | 第887条被相続人の子は、相続人となる。 | 3問 | 3 | 令和7年 | 7問 | 相続総則・相続人 |
| 3 | 第562条引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない… | 3問 | 3 | 令和6年 | 3問 | 売買・交換 |
| 3 | 第375条抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期… | 3問うち改正前1問 | 3 | 令和5年 | 6問 | 抵当権・根抵当 |
| 3 | 第606条賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、… | 3問 | 3 | 令和5年 | 9問 | 賃貸借 |
| 3 | 第622条(枝番を含む)第五百九十七条第一項、第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百条の… | 3問 | 3 | 令和4年 | 5問 | 賃貸借 |
| 3 | 第859条(枝番を含む)後見人は、被後見人の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為につ… | 3問 | 3 | 令和3年12月 | 8問 | 後見 |
| 3 | 第108条同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人… | 3問 | 3 | 令和2年12月 | 4問 | 代理 |
| 3 | 第116条追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を… | 3問うち改正前1問 | 3 | 令和2年12月 | 1問 | 代理 |
| 3 | 第715条ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第… | 3問 | 3 | 令和2年12月 | 6問 | 不法行為 |
| 3 | 第415条債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能で… | 3問 | 2 | 令和6年 | 5問 | 債権の効力 |
出題当時の法令に基づく問(改正前の出題)も数えています。現在の条文での結論は、各問題ページの解説で確認してください。
上位10条の出題例
各条で、宅建の直近の現行法の肢を1つ載せます。正誤と解説は、考えてから開いてください。
1位 第557条
宅建で5問・4回に出題 分野:売買・交換
BがAに対して手付を交付した場合、Aは、目的物を引き渡すまではいつでも、手付の倍額を現実に提供して売買契約を解除することができる。
正誤と解説を見る正誤と解説を閉じる
正誤:誤り
解説:誤り。手付解除は相手方が履行に着手する前に限られる(民法557条)。引渡し前であってもBが履行に着手していれば解除できない。
2位 第107条
宅建で4問・4回に出題 分野:代理
AがBの代理人として第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合、相手方Cがその目的を知っていたとしても、AC間の法律行為の効果はBに帰属する。
正誤と解説を見る正誤と解説を閉じる
正誤:誤り
解説:誤り。第三者の利益を図る目的の代理行為は、相手方がその目的を知っていた場合は無権代理とみなされ、効果はBに帰属しない(民法107条)。
3位 第94条
宅建で3問・3回に出題 分野:意思表示
- 通謀虚偽表示は当事者間で無効だが、その無効は善意の第三者に対抗できない(無過失・登記は不要)
- 第三者には転得者も含まれ、前主が悪意でも転得者自身が善意なら保護される
- 「第三者」に当たるか(差押債権者・仮装債権の譲受人は当たり、単なる金銭の貸主は当たらない)と、94条2項の類推適用
相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効であり、第三者がその虚偽表示につき善意であっても、過失があれば、当該第三者にその無効を対抗することができる。
正誤と解説を見る正誤と解説を閉じる
正誤:誤り
解説:誤り。虚偽表示の無効は『善意の』第三者に対抗できない(民法94条2項)。過失の有無は問わない。
3位 第95条
宅建で3問・3回に出題 分野:意思表示
意思表示は、当該意思表示に対応する意思を欠く錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、無効であるが、その錯誤につき善意でかつ過失がない第三者には、その無効を対抗することができない。
正誤と解説を見る正誤と解説を閉じる
正誤:誤り
解説:誤り。重要な錯誤に基づく意思表示は当然に無効となるのでなく、取り消すことができる(民法95条1項)。取消しを善意無過失の第三者に対抗できないという後半は、同条4項に沿う。誤りの中心は「無効」とした点である。
3位 第96条
宅建で3問・3回に出題 分野:意思表示
- 詐欺による取消しは善意でかつ過失がない第三者に対抗できないが、強迫による取消しは善意の第三者にも対抗できる
- 第三者が詐欺をした場合は、相手方が詐欺の事実を知り、又は知ることができたときに限り取り消せる(強迫にはこの制限がない)
- 表意者に過失があっても詐欺・強迫を理由に取り消すことができる
詐欺による意思表示は取り消すことができるが、その詐欺につき善意でかつ過失がない取消し前の第三者には、その取消しを対抗することができない。
正誤と解説を見る正誤と解説を閉じる
正誤:正しい
解説:正しい。詐欺の取消しは善意無過失の取消前の第三者に対抗できない(民法96条3項)。
3位 第255条
宅建で3問・3回に出題 分野:所有権
Aが甲土地についての自己の持分を放棄した場合には、その持分は国庫に帰属する。
正誤と解説を見る正誤と解説を閉じる
正誤:誤り
解説:誤り。共有持分の放棄は『他の共有者』に帰属する(民法255条)。国庫に帰属するわけではない。
3位 第887条
宅建で3問・3回に出題 分野:相続総則・相続人
Bが相続放棄をしたとき
正誤と解説を見る正誤と解説を閉じる
正誤:代襲しない
解説:代襲しない。相続放棄は初めから相続人でなかったものとみなされ、代襲原因に含まれない(民法887条2項・939条)。
3位 第562条
宅建で3問・3回に出題 分野:売買・交換
Bが甲自動車の引渡しを受けたが、甲自動車のエンジンに契約の内容に適合しない欠陥があることが判明した場合、BはAに対して、甲自動車の修理を請求することができる。
正誤と解説を見る正誤と解説を閉じる
正誤:正しい
解説:正しい。種類・品質の契約不適合では買主は履行の追完(修理等)を請求できる(民法562条)。
3位 第375条
宅建で3問・3回に出題 分野:抵当権・根抵当
①では、被担保債権の利息のうち、満期となった最後の2年分についてのみ担保されるが、②では、設定行為に別段の定めがない限り、被担保債権の利息は担保されない。
正誤と解説を見る正誤と解説を閉じる
正誤:誤り
解説:誤り。抵当権は利息・定期金・損害賠償のうち満期の最後の2年分が担保され(民法375条)、不動産質権では被担保債権の利息は担保されない。記述が逆。
3位 第606条
宅建で3問・3回に出題 分野:賃貸借
甲建物の修繕が必要であることを、Aが知ったにもかかわらず、Aが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。
正誤と解説を見る正誤と解説を閉じる
正誤:正しい
解説:正しい。貸主が修繕の必要を知りながら相当期間修繕しないときは借主が修繕できる(民法606条2項1号)。
分野別に見た頻出条文の数
ランキングに載った16条を民法の分野ごとに数えました。出題が集まる分野から学習を始める目安になります。
他の試験との違い(民法)
同じ民法でも、試験によって上位の条は変わります。
この順位の作り方
- 集計の元は、当サイトの過去問宅建の自作解説です。各肢の解説が根拠にしている条(法令名と条番号)を、肢ごとに記録しています。
- 解説つきの753問(16回分)が対象です。図表が必要な問、不成立の問、解説を再確認中の肢は数えません。
- 1問で同じ条を複数の肢が根拠にしていても1問です。枝番のある条は本条にまとめています。
- 参照が記録されていない肢は数えていないため、実際の出題より少なく出る条があります。
- 3問未満の条は載せていません。順位は過去の出題の記録で、今後の出題を示すものではありません。
よくある質問
宅建の民法で、一番よく出ている条はどれですか?
当サイトに収録した過去問753問(16回分)の肢別解説が根拠にした条で数えると、民法557条(5問・4回)、民法107条(4問・4回)、民法94条(3問・3回)の順です。同じ問数の条は同順位にしています。
出題問数はどう数えていますか?
1問の中で複数の肢が同じ条を根拠にしていても、1問として数えます。枝番のある条(第◯条の2など)は本条にまとめています。解説が条を参照していない肢は数えないため、実際の出題より少なく出ることがあります。
この順位が高い条だけ覚えればよいのですか?
順位は過去に出た回数を示すだけで、今後の出題を約束するものではありません。3問未満の条もあります。上位の条から条文と過去問を確認し、そのあと分野ごとに広げる使い方を想定しています。
法改正の前に出題された問も数えていますか?
数えています(3問)。出題当時の法令に基づく問は、表で「うち改正前」に分けて示しています。現在の条文での結論は、条文ページと各問題ページの解説で確認してください。